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歯科基礎医学会雑誌、第40巻、1998年9月、p.160

 

顎顔面および口腔内軟組織の硬さ・軟らかさに関する研究

 

○稲田條治,片山博司,吉田 洋

(大阪歯大・生理)

 

【目的】顎顔面および口腔領域には顔面皮膚(口唇皮膚部を含む),筋(表情筋,咀嚼筋および舌筋)ならびに唇・頬・歯肉・舌・口蓋粘膜などの軟組織が存在する.正常な口腔機能を営むためにはそれぞれの軟組織の特性を把握する必要がある.そこで,本研究では口腔機能診断のひとつの要素として各軟組織の硬さ・軟らかさに着目し,新たに開発された触覚センサーを用いてその定量化を試みた.

【方法】成人被検者に対し,(株)アクシム社製の触覚測定器を用いて,軟組織の硬さ・軟らかさをリアルタイムでパソコン上に導出した.なお,今回はとくに口裂周囲の表情筋および咀嚼筋ならびに筋活動に伴う口唇の硬さ・軟らかさの変化について検討した.

【結果と考察】表情筋および咀嚼筋の硬さはその収縮力が増すにつれて増大した.弛緩後には収縮時の硬さが残留した後,徐々に低下した.筋収縮による筋の弾性あるいは筋内圧の変化は筋の硬さに影響すると考えられる.また口裂周囲の表情筋の活動に伴い口唇の硬さが変化した(たとえば,大頬骨筋収縮による口角挙上時には上唇の硬さは増大する).このことから,口唇の硬さを測定することによりその緊張度(伸張あるいは圧縮による)を知ることができると考えられる.

【結論】触覚センサーを用いて,表情筋や咀嚼筋などの筋活動時の特性を検索できることが判明した.

 

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